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自然(天然)乾燥材と人工乾燥材と集成材。

投稿日時: 2018年2月19日

木の主成分はリグニン、セルロース、ヘミセルロースです。

 

木には水分があります。そして伐採した直後から水分が抜け始めます。

 

木材は乾燥が大切です。なぜか?

木は乾燥する過程で縮み、反り、曲がります。そしてそれに伴い徐々に強度が増していきます。つまり伐採した直後よりも月日が経った木材のほうが強度が増しているのです。その強度は100年~数百年かけて強くなり、ピークに達してから徐々に下降していくと言われています。生材(乾燥していない木材)で建てると、強度が一番弱い段階で荷重をかけてしまいます。そして乾燥収縮による寸法の狂いや、水分が多い事により腐朽菌も発生しやすくなるんですね。ん~乾燥って大切そうですね。

 

その乾燥の方法には自然(天然)乾燥と現在主流の人工乾燥があります。人工乾燥も種類がありますが日向近辺では<燻煙式>が多いですね。

ではその比較

 

天然乾燥の「長所」

・乾燥コストがかからない

・木本来の色つや、香りを損なわない

おなじく「短所」

・乾燥に時間を要する

・長期間保管する場所を要する

・乾燥過程で表面に割れ、ねじれが発生する場合がある

人工乾燥の「長所」

短時間で大量の製品をつくる事が出来る

・寸法安定性が高い

人工乾燥の「短所」

・木本来の色つや、香りがなくなる

・設備、燃料コストがかかる(Co2を排出する)

・その後、強度はあがらない

・乾燥過程でリグニン、セルロースという主成分が抜ける(変化する)

 

人工乾燥させると木は明らかに色艶がなくなり加工した時に木本来の粘りが無くなっています。そして人工乾燥させる過程でリグニンは軟化し(リグニンの軟化温度は85度と言われています。燻煙式乾燥の温度が100~150度)、セルロースも糖分に変化します。その結果、強度の成分を落とし、対蟻性も失っている可能性が高いんじゃないでしょうか。(最近は50度程度で時間をかけて乾燥させる低温乾燥もでてきていますが、、、なら天然乾燥で良くない?)

 

もちろん、20~30年で天然乾燥材と人工乾燥材に大きな差が出てくるかは疑問です。でもその後は絶対に差がでてくる気がします。耐久性だったり大きな地震に対してだったり。。。天然乾燥の方が良い面が多いという事は恐らく、明らかでしょう。

 

じゃあ、なぜ今だに人工乾燥が主流なのか?

まあ、多分、天然乾燥は時間がかかるからでしょう。あと、人工乾燥させたら表面は割れてないし、建てた後に木が動く心配が少ないし(メンテナンスが不要)、均一な製品が出来るし。。。本当に長いスパンで家の事を思ったら天然乾燥でしょうが施工者立場からすれば人工乾燥。という感じじゃないでしょうか、多分。多分ですよ(笑)

 

日本の文化や伝統が見直されてきているのは報道等で実感します。

木材も、これからまた天然乾燥材の割合が多くなっていく気がします。

 

あ~、集成材のこと書いてない!またこんど(笑)